実はそれほど期待しないで読んだのですが、読んでみたら子どもも私も目が釘付けでした。
‘おーけなおたこが、ゆらーり、ゆらーりと砂浜にあがってきて、畑のおなすびを食べ出した’時から、もうこのお話のとりこです。
全体的にゆるーい雰囲気で、出てくる海の生き物たちも皆どことなくのんびりとしています。
とっときのかくし芸がなぜか皆おんなじようなモノだったり、それを見た皆の喜びようが、「妙々々々々々」という妙なはやしことばだったり、なんともおかしなお話なのですが、なぜか惹きこまれてしまうのです。
読み終わった後の子ども達が、「妙々々・・・」と言っているのも頷けます。
紙の色が薄い黄色になっていて、それがまたこの鄙びたあたごの浦の感じと合っていて、とてもいい味を出しています。
病みつきになってしまいそうな不思議な絵本でした。