パトリシア・ポラッコの体験として書かれた絵本です。
文字を認識できないというLD(学習障害)が、当事者にどれだけ重くのしかかることなのかを考えます。
馬鹿にされたり、いじめの対象になるだろうということは、容易に想像できます。
幸い主人公のトリシャ(ポラッコ)は、フォルカー先生という救世主との出会いにより、障害を克服することができました。
今、初等教育や中等教育では、支援学級や支援学校ができています。普通学級であっても授業についていけない子に対して、サポート体制もあるように思います。
だからといって、トリシャのように奇跡を起こす人ばかりではないことも知っています。
何よりも、子どもたちの誰もが、阻害されることなく、可能性を大切にインクルーシブな社会にいる権利があることを認識することが必要なのでしょう。
学習障害、知的障害を持った利用者さんたちと時間をともにしていると、このような絵本は、重要な参考書です。