メアリー・スミス」 アダム&デヴさんの声

メアリー・スミス 作・絵:アンドレア・ユーレン
訳:千葉 茂樹
出版社:光村教育図書 光村教育図書の特集ページがあります!
税込価格:\1,540
発行日:2004年07月
ISBN:9784895726405
評価スコア 4.74
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みんなの声 総数 41
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  • 時間とともに明けていく様子が美しい

     私の年代の方々はご記憶もあろうかと思いますが、かつて目覚まし時計は、バネのねじを巻いてセットしていましたよね。

     さて、タイトルにもなっているメアリー・スミス(ロンドンに実在)さんが主人公。彼女の仕事は、ノッカー・アップ(目覚まし屋)。

     目覚まし時計がまだ普及していなかった、1920年代?のお話です。
     彼女の起こし方は、細いチューブに、しわしわでかちかちの豆を詰め、頼まれたお客の家の窓に吹き付け当てます。

     起こされた人は、起きた合図に必ず窓から顔を出さなければなりません。
     星がまだ残る暗い時間に家を出て、一軒一軒足早に起こしにまわる。

     
     豊かではない時代の労働者たちのたくましさが、太い輪郭の絵から伝わってきます。

     メアリーが次のお客の家へ、次のお客の家へと移動するごと各ページの背景が時間とともに明けていく様子が美しく描かれています。
     
     タイトルの文字にも、メアリーの仕事が、まさしく時間をあらそう忙しいものであることを伝えていて、オシャレだなと思いました。

     
     メアリーさんは、毎日毎日、一日の一番素敵な美しい時間を眺めていたんでしょうね。

     息子は、“朝早く起きなければならない仕事”に就いている人がいることに、あらためて気づいたようです。

    投稿日:2009/06/29

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