おとなはいうんだ。
わるさはいけません
いいこにしてなさい
いうことをききなさい
でもどうして? こどもはみんなしっている。わるい子になるほうが もっとずっと おもしろいんだっていうこと。
この絵本は、実はこっぴどく子供を叱った後に読みました。
まったくもう、めぐり合わせが悪いったら。
(この絵本をチョイスした私が悪いんですが)
主人公の坊やに対して、大人がいうセリフ、つい数分前にいっていた私のセリフ、そのまんまです。
でも、なるほど、と思うこともあります。
大人はのどが乾いたら、いつでも水を飲んでいいし、大きな声じゃなく、小さな声で挨拶してもいい、テレビも見放題。
大人がすき放題やっているのに、子供は大人のいうことを聞かなくちゃいけないのは割りにあわない。
なるほどなあ…
この絵本の坊やは、自分が大人になったら、こんな大人になるんだ、という想像をします。
これが、おかしいのです。
大人になったら、お客さんの前でイスをコンコンけって
はなをすすって
(ああっそんなこと書かれたら、鼻をほじるな、という、本日の息子へのお叱りテーマの一つが台無しなんですが〜)
キリンを飼って、ひとのうちのベルを全部おしてまわる。
それだけではありません。
この絵本には、坊やの奥さんまで登場します。
うちの中でボール遊びをしたり、彼女と、お風呂で魚をそだてたりするんですって。
想像はエスカレートします。
この絵本は、レイアウトやフォントなども凝っていて、
ものすごく面白い絵本でした。
坊やがまた、可愛いのですよね。
そして、最後の結びがいいです。
ーどうしてぼくのパパとママはもう大人なのに、
手を洗うんだろう
つめをかまないのだろう、どうして物をかたづけるのだろう。
こんど聞いてみよう。ー
そう、大人って、不可思議な生き物なんだよ、坊や。