2012年度全国読書感想文コンクール小学校中学年の部課題図書。
ココロを入れかえなさい。
先生に叱られたぼくは納得がいかないのです。
反省するところはあるけど、ぼくにだって正論があるのです。
やりきれなくて教室を飛び出したぼくの前に現れたのは、
「ココロ屋」の扉。
ココロを取り替えてくれるというお店の主人の言葉を信じ、
ぼくはいろいろとココロを取り替えてみるのです。
やさしいココロ、すなおなココロ、あたたかいココロ・・・。
どれも良さそうなのですが、ぼくは意外なことを発見します。
自分の心の不完全さを持て余すことは、誰にでもあることです。
そのあたりをキュッとつかむ展開は素敵です。
さらには、周りの人たちが理想として語る、優しさ、素直さ、温かさの意外な弱点にも気付かせてくれます。
これは大人にとっても考えさせられる視点です。
自分自身に、子どもたちに、暗黙に強要する心の有様について、
冷静に考えさせられます。
だからこそ、ラストで語られるぼくの結論がそれはそれは素敵です。
あらゆる世代の方に読んででほしい作品だと思いました。