友達とケンカして、また先生に怒られてしまったぼく。
いつもそう。急に腹が立ったり、イライラしたり、友達と衝突して先生に叱られてしまう。
自分が悪かったってことはわかっているのに――。
「しっかり反省して、ココロを入れかえなさい!」
先生にそう注意され教室を飛び出したぼくの前に、不思議なドアが現れます。
それは、『ココロ屋』へと続く扉。
カウンターの向こうの主人、ウツロイ博士がにっこり笑いました。
「さて、どのココロと取りかえましょうか」
ココロを取り替えるという発想が面白い!
子供ならみんな、自分が悪いとわかっていても自分をうまくコントロールできないもの。
それが大人と違うところでもあり、子供らしいところ。当たり前ですよね。
そんな子供の心情がうまく表現されているお話だなぁと思いました。
『ぼく』はいろんなココロと自分のココロを取り替えますが、なかなか自分にぴったり合うものが見つかりません。
本を読んでいて、金子みすずさんの『わたしと小鳥とすずと』という詩の一部を思い出しました。
「みんなちがって、みんないい」
自分自身を認めてあげること、とっても大切なことですよね。
我が家の兄妹にも「面白かった」と好評な幼年童話でした。