この絵本を読んで、私は考え込んでしまいまいた。
へっちゃら君のように見える子って、見渡せばいっぱいいるからです。
へっちゃら君がどれだけの悲しみと怒りと理不尽さに対する反発を抱え込んだか、この絵本は伝えています。
へっちゃら君が、本当にへっちゃらなのか、本当は苦しんでいるのか、見た目では見分ける自信がありません。
この絵本では、へっちゃら君は自ら言いたいことを言うことで、自分の心が解放されることを学びました。
しかし、言いたいことを言えないで、溜め込め過ぎた心の自己解放が、恐ろしい不幸を招くことも私たちは知っています。
へっちゃら君を作らないために、へっちゃら症候群をどのように解放するか。
それは親や大人に対しての問題提起でしょう。
大人の自分にしても、実はとても傷つきやすい子どもたちに、理不尽な我慢を強いているかもしれないのですから。
そんな話を非常にわかりやすく描いていると思います。
自分を省みるためにも、大人の必読書かと思いました。