絨毯(敷物)ですよ〜、生きたまま絨毯になりきるっていうんだから愉快です。
インドのジャングルに一頭のトラが住んでしました。
すっかり年を取り、獲物がめったに獲れなくなり、骨と皮ばかりに痩せていて、ほかの動物たちにバカにされているような存在でした。
そんなトラの楽しみは、王様の宮殿を覗きに行く事。
トラがしみじみ思う事は、居心地の良さそうな広間で王さんと家族が美味しそうにごはんを食べているところに仲間にはいりたいということ。
ここでこのトラの優しく穏やかな性格が解ります。獰猛さの欠片もありません。
ある日宮殿の庭で、召使がじゅうたんを干し、ほこりを掃っていました。
そのじゅうたんの中に、トラの毛皮があったのです。
そこで、トラは・・・・・・。
ここまで読んで、あ〜バレちゃうバレちゃうって焦りました。
ところが、このトラはとっても痩せているので、広間に敷かれても誰も気づかないのです。
そして、王様たちの食事の時間がやって来て、トラは楽しそうなみんなと一緒にいられて嬉しくてたまりません。
絶対にバレないようにと心に誓うトラの気持ちも分かります。
臭いと言われ、洗われて、せっけんが目に入ろうが、固いブラシでごしごし洗われようと、がまん・がまんのトラです。
でも、王様たちの食事の後で、あんなことをしているのですから、毛並みの良い肉厚な絨毯になって来るのも無理もありません。
バレるのも時間の問題。
バレたら本当の絨毯にされるかもしれない、と悩んでいた矢先に、・・・・・・。
バレる事も忘れて、頑張ったトラの活躍が、カッコイイです。
この後のトラの生活の様子が、楽しそうで、良かった良かった〜って思いました。
3・4年生に読んでみたいです。