同じ釜の飯を食べて育つというように、同じ本を読んで育つというのは、共通の経験を持って過ごすということで、成長に大きな意味を持つということを、子育てを通してよく考えます。
読み聞かせから始まって、一人読みするようになってからも親子で同じ本を読んでいると共通の言語と共通の世界を共有でき、共通体験から会話が弾むように思います。
そんなことから、わが家では夫・私・息子と同じ本を読む機会が多いです。
この本は、岩波少年文庫の良さを改めて感じたということを読んだ人から聞いて読んでみたくなったのです。
脇明子さんの教え子であった小幡さんが中学校の図書室司書としての奮闘体験が描かれています。
最初に驚いたのは、中学生の読物がケータイ小説などもあるということでした。
読書というのは、一足飛びにはいかないものです。それは息子への読み聞かせの経験からも思いました。
長い読物が読めるようになるには、言葉の蓄積や集中力がいります。
読書経験の浅い子、読書が好きでない子に本を薦めるのは並大抵のことではないと思います。
でも、若い小幡さんは本当に真摯にひたむきに中学生に向きあわれたことが本を通してわかります。
最後のエピソードには思わず涙ぐんでしまいました。
改めて本っていいなと思いました。そして、こんな風に子どもたちに本を薦められたらと思いました。
ここに上げられている本もすべて読んだことがあるわけではなく、時期がきたら息子と読んでみたいと思います。
今読んだ人たちの間でお互いに薦め合っている本です。