2004年の韓国の作品。
「景福宮は朝鮮王朝のもっとも格式の高い正宮です」
という書き出しで始まります。
物語というのではなく、景福宮を正門から入って順にその建築物の解説をしていくというもの。
とにかく、その荘厳な絵は見る者を魅了し、まるで実際に景福宮を訪れているかのような感覚におそわれます。
願わくば、景福宮の平面図があると、さらに良かったと思います。
それにしても、この景福宮は、1592年、一旦文禄・慶長の役で焼失し、その後も再興されたものの、1910年の韓国併合条約により大韓帝国の統治が終了した際、多くの殿閣類が日本人によって取り壊されたとのこと。
全く、知りませんでしたが、日本人の関与を知るにつけ、歴史と真摯に対峙しないとならないと思えてなりまえん。
特に、この美しい景福宮の姿を見ると、もっとこうした作品と出会い、知ることが必要なのだと思いました。
まさしく大人のための絵本。
歴史の思いを馳せて、考える材料として欲しい作品です。