児童書で主人公が30過ぎの女性なんて、と初めはびっくりしましたが(私やん、と妙な親近感もあり)、とことん考え抜かれたうえでぐんぐん進んでいく物語にすっかりはまってしまいました。
主人公バルサは用心棒家業をしているめちゃくちゃわけありの女ですが、もうとにかく強くて強くて!
圧倒的ともいえるけど、本人もボロボロに傷付きながら絶対負けない姿にじんじんきます。
偶然助けられて行動を共にする皇子のチャグムのドロドロの境遇と人生にはほんと胸が痛くなるけど、応援せずにはいられない大切な子供を見つけたかんじです。
シリーズを通して読んでいくチャグムの成長っぷりといったら素晴らしくて、作者に本当に感謝してます。
どこか日本の昔のような雰囲気もありつつ異世界と交差する壮大なファンタジーなので、すんなり理解できるわけでもありませんが、本当によく練られているので、矛盾が少しもなく、信頼して読めます。ボリュームのあるシリーズですが、読む価値は大きいです。