あとがきにあるとおり、この作品は、アフリカの草原にそびえ立つバオバブの樹から生まれたとのこと。
1970の作品で、小学校の課題図書にもなっているので、多くの人に読み継がれている作品だと思います。
一言で言うと、久々に骨太の作品と出合えたということ。
最近は、楽しい作品に傾注しがちだったのですが、絵本には、こんな素晴らしい世界もあるのだと再認識させられました。
だちょうのエルフは、群れを襲うライオンと戦って片脚を失ってしまいます。
そして、段々とみんなに忘れさられてしまいますが、また敵が群れを襲うのです。
今度はくろひょうで、子供たちが逃げ遅れてしまいます。
エルフは、子供たちを守りたいという一心で、くろうひょうを撃退するのです。
見返りのない献身的な姿に感銘を受けざるを得ません。
そして、感動のエンディングなのですが、子供を守るということの意味を教えてくれるような気がします。
本当の優しさとか強さって、何なのかを読む者に問うてきます。
色々考えさせられて、その思いはしっかりと心に刻み込まれるのではないでしょうか。
絵は版画で、その迫力が物語を力強いものにしているのですが、逆に臨場感が年少だと怖がるおそれもありますので、注意が必要かも知れません。
必読の一冊。