パール・バックが日本の津波を題材にした物語です。
津波で家族を失ったジヤが悲しみを克服して成長し、やがて津波で家が流された土地に家を建てるまでを語られています。
書かれたのは昔ですが、読んでいてあの3月11日の光景を思い出しました。
津波の恐ろしさと家族を失った心の傷は決して癒えることはないでしょう。
泣いて泣いて打ちのめされても、腹がすいてものを食べるようになったら、少しずつ元気を取り戻していく。
生は死より強し。
ジヤを引き取った友人のキノ家族の優しさが素朴に描かれています。
哀しい話ではありますが、とても癒しのある話。
また津波に襲われるかもしれない土地に戻る人々。
その勇気と郷土愛が切なくもあります。
ここまで情緒たっぷりに日本の話を外国人が書いていることが素晴らしいですね。
東北の復興と、悲しみが繰り返されないことを願います。