“シノダ!”シリーズも、とうとう(というか、やっと)6巻目になりました。
ここにきて、ユイたち家族は初めてキツネたちの住んでいる異界へやってきます。
この話で初めて、キツネと人間との結婚がどれだけ大変なことなんのか、改めて読者に提示された気がします。
そしてなにより、今まで話に名前しか出てこなかったイツキおばあちゃんが登場したことが、私には印象的でした。
キツネたちの結婚の流れやキツネたちの住む異界の景色や建物など、
富安さんは丁寧に描いてくれていました。
キツネの化け方の解釈も面白かったです。
化けるための初心者向けの「プロトタイプ」があるとか、なんか言いたいことがすごくわかる気がしました。
信田家の面々はママの方の家族にしろ、ユイたち人間の方の家族にしろ、とても個性派ぞろいです。
彼らをそれぞれ、その個性に合わせた動きをさせているのに、
見事にスパッとおさまる物語の魅せ方は『お見事!!』というしかありません。さすが富安さんだなぁと、思いました。
おかげで読み手はとても読みやすく、情景を描きやすかったです。
ラストの方には、次の物語への伏線も出てきたし、次回もまだまだ信田家の皆さんには楽しませてもらえそうです。
年齢的には、小学校高学年くらいから中学生くらいのお子さんたちにお薦めします。
特に、ファンタジーもの、不可思議な力の話が好きな人にはお薦めです。