「ねずみ浄土」、昔から馴染みあるお話ではありますが、この絵本は一味違う作品でした。
よくある「おむすびころりん」では、おじいさんがおむすびを穴に落としてしまいますが、この作品ではおばあさんがだんごを落としてしまいます。
そして、最初のおばあさんが「にゃあごー」と鳴きまねするのにも驚きました。
読み聞かせをして、息子は「えっ、最後はモグラになるんじゃないの?」とあまりに残酷な結末に驚いていました。
最初のおばあさんは金の臼と杵を手に入れたのに、同じことをやった隣のおばあさんがなぜ殺されてしまったのか。
「うーん、日頃の行いが悪かったのかな?」と答えましたが、息子は納得したのかしてないのか・・・
最初のおばあさんがネズミの臼と杵を持ち帰って来たことも、「勝手に持って来たらダメだよね?」と・・・
確かに、あんな臼と杵を見たら欲しくなるのは当たり前だし、言われた通りにやっただけなのに・・・
人間、必要以上に欲深くなるのは気を付けないといけないということかもしれません。
田島征三さんの挿絵はのびのびと力強さがあって、このお話にピッタリでした。
最後の沢山のネズミの目、一番大きなネズミが叫んでいる場面は迫力があって怖かったです。
そして最後のネズミの笑顔・・・やっぱり怖かったです。