「ちびうさまいご!」に続く第二弾です。
きょうはちびうさにとって、とくべつなひ。
だって初めて学校へ行くんですから。
お弁当をもって、おもちゃの馬のチャーリーホースを従えて、
ちびうさは学校に出かけます。
ところが、チャーリーホースが悪いことをたくさんしてしまうのです。
学校に着く前にお弁当を見せてといって、ちびうさに食べさせたり、
先生のお話の最中に跳ね回ったり、
ケーキの種の中にとびこんだり。
もちろん、おもちゃの馬が一人で出来るはずはなく、
すべてちびうさがやったことなのですが、
あくまでも、ちびうさは自分がやったことだとは思っていません。
ハーリーホースがやったと思っています。
おもちゃのハーリーホースは、ちびうさにとっては、立派な意志を持つ存在なのです。
自分と同じように物を考える、誰よりも自分に近い、お人形のお友達。
ちびうさでなくても、幼い頃、そんなお友達を持っていた人は多いことでしょう。
作者の文章は、幼児にありがちな、このへんのあいまいな感覚を、実に巧妙にあらわしているのです。お見事!
お昼の時間、お弁当がなくて困っているちびうさに、
クラスメートがお弁当を分けてくれました。
ちびうさに、おもちゃではない友達が出来たのです。
最後にちびうさはおかあさんにこういいます。
「あしたはチャーリーホースはおるすばんだよ。いたずらが
すぎるからね」
幼児が、他者を意識し始める頃を描いた、素晴らしい絵本だと思います。