『つぼづくりのデイヴ』は、200年前のアメリカで生きたデイヴという奴隷の実話を基にした絵本です。彼はただの粘土を使って、すごく美しい壺を作って、それに心に響く詩を刻んでいました。レイバン・キャリック・ヒルが書いた話とブライアン・コリアーの絵で、デイヴがどうやってこれらの壺を作ったのか、その過程が生き生きと描かれています。
この絵本は工芸の話じゃなくて、デイヴがどうやって困難に立ち向かい、自分の声を世に問うたかのすごい記録です。彼の壺には、自分の家族を探す願いや、自由への深い憂いが込められていて、それを読むとぐっときます。特に、「十字架を背負ってこのつぼをつくったのは私」という一節は、彼の生きた証として今も残っています。
ブライアン・コリアーのイラストは、デイヴの作業風景だけでなく、その時代の奴隷たちの生活もリアルに描き出していて、見ているだけでその時代にタイムスリップしたような感じがします。子どもたちにとっては、この絵本で歴史の授業がぐっと身近に感じられるかもしれません。
『つぼづくりのデイヴ』を読むと、歴史の中の人物がただの名前で終わらないこと、彼らも自分たちと同じように生きて感じていた人たちだったことが伝わってきます。息子も壺作りのプロセスに夢中になって、どうやってそんな素晴らしいものが作られるのか、すっかり興味を持ちました。