タイトルが種明かししているので、どのような展開でお父さんが100人になるのか気にしながら読みました。
ものが100倍になる魔法のかめ。
良い人が使ったらどうなる、欲張りが使ったらどうなる、昔話の定型路線ですが、かめが道具になっているところに面白さを感じました。
ろうそくを落としたら100倍の炎、水をかけたら大洪水。
で、お父さんが落ちたら…、立派なオチです。
100人のお父さんがいたら怖い。だって、消えないんでしょ。
息子が100人いたら…、奥さんが100人いたら…、怖いよ〜。
お話が終わった後いろいろと考えてしまうのですが、地主さんの家庭はどうなったんでしょうか?
かめはその後どうなったのでしょうか? あんなに大きな口を開けているのだからいろいろなものが入ったことでしょう。
「こんなかめがあったら、良いことに使っても社会は崩壊するのだぞ」などと、講義口調になりそうになるところをぐっと抑えて、余韻を楽しみました。