作者の譚さんは中国の生まれのイラストレーターさんで、現在は日本でお仕事をされているそうです。
正直者で、働き者には宝物が手に入り、悪どいヤツ(「となりのじいさんタイプ」というらしいです)には、その行いを罰せられるようなことが起きる。それはどこの国でも同じようですね。
このお話には、不思議な大きなかめが出てきます。
働き者の若夫婦は、かめから出てきたたくさんのものを独り占めせず、村の知人たちに配りますが、そのかめを無理やり奪い取った地主は、そのかめの為に次から次へととんでもないことが起きてしまいます。
読んでいるほうは、そのハプニングが面白かったです。
何より、地主のお父さんがかめの中に落ちてしまい、(題名はここからきていますが)かめから助け出すと、次から次から100人ものお父さんが出てくるあたりは、なんとも言えませんでした。
このお父さん、出番は少ないのですが、しいて言えば主役!最後のほうはお父さんだらけで、いい味出してくれていました。
あまり、教訓教訓した話ではなく、あくまでも笑い話的な結末は、落語的な気楽さがあり、読んでいてとても楽しかったです。