詩人谷川俊太郎さんの活動は、もちろん詩作がメインではあるが、
絵本の出版も数多い。
案外絵本作家として谷川さんを知ることも多いのかもしれない。
絵本『がいこつ』も、谷川さんの詩から生まれた作品である。
初出は1999年に出た詩集『みんなやわらかい』。
この絵本が作られたのは2005年。(2024年6月に教育画劇から再刊)
絵本は文だけでなく、絵もとても大切な要素。
絵本『がいこつ』の場合、絵を描いたいるのは和田誠さん。
和田さんは谷川さんと多くの絵本を手掛けていて、この作品でもユニークながいこつの絵など、
文と巧みに競演している。
それでふと思うのだけれど、もしかしたら和田さんの絵でなかったら、
谷川さんの詩のもつ世界も随分ちがったものに見えるのだろうということ。
例えば、安西水丸さんの絵なら、どうだろう。
荒井良二さんなら、長谷川義史さんなら、酒井駒子さんなら、どうだろう。
多分、詩はどんな絵であろうと拒まないはずだ。
だから、絵本を読んだあとは、詩として読むといい。
岩波文庫から出ている『自選谷川俊太郎詩集』にも詩『がいこつ』は載っている。
詩を読んでどんな「がいこつ」を、あなたなら描くだろうか。