小学生2年の少女が、学校から自宅に帰る道すがら。植え込みや人の家、路上に生える草花を一つ一つ名前で呼んで、確認していく。春夏秋冬、季節により変化する植物を紹介してくれる絵本。
小学校時代、農村の学校だったので、片道2キロを、徒歩で通学した。田んぼに畑に、時々人家があるような場所だったので、必然的に道草をくうようになった。文字通り、道に生えている草で遊んだり、勝手に持ち主がいると思われる果物の実を取って食べたり(もちろん洗わない)、草花を摘んで首飾りを作ったり、ハルジオンの花を鉄砲のように飛ばしてみたり、草笛をやったりした。
他にもいろいろいたずらをして、植物と戯れていた子ども時代を思い出した。当時は、とってもとってもどんどん生えてくる草花が、無限にあるものだと思っていた。
今はコンクリートで固めた道路や、手入れの行き届いた庭木、勢いがない街路樹などに囲まれている。当時のように無邪気に草花を摘み取ることはないが、時々、花を咲かせたりしている草木を見つめている。どんどん育っていくと、ある日突然、「除草」されてなくなっていたりする。大変ショックだ。
いろんな事情もあるだろうが、人間は植物さんたちと、もっと仲良くなれないものかと思う。
この絵本は、植物さんと仲良くなれる入り口のような感じがする。
優しい雰囲気で、正確な絵で、いままで知らなかった植物さんの名前を教えてくれる。大人になっても知らないことがたくさんあるとわかる。