1924年〜28年に「子供之友」という雑誌に連載された絵ばなしを一冊にまとめた絵本です。村山籌子(かずこ)さん:作、知義さん:絵、ご夫婦の共作です。
絵本というより、少し漫画に近い感じもします。
三匹のこぐま(三つ子のようです)の日常のちょっとしたことを2ページ〜4ページのおはなしにして、それが12編入っています。「牛乳が嫌いで飲めませんでしたが、おかあさんが暖めて角砂糖を一つ入れてくださいましたら、おいしくて、飲めるようになりました」という他愛もないおはなしから、「まほうつかいのかくれぼうしを拾ってかぶりましたら、姿が見えなくなりました」というちょっと不思議な感じのおはなしなど、いろいろなパターンのおはなしがあります。
大正末期〜昭和初期に描かれたおはなしなのに古臭い感じなど微塵もなくて、言葉遣いがとても柔らかく、上品で、ほんわかとした気分になれるのです。
子どもには、おはなしを一つ読むよりも何篇かまとめて読んだ方が、こぐまさんたちに対する親近感が増すようです。
布団に転がって本を親子で覗き込みながら読みたい絵本です。