娘が熱を出して寝ていた日曜日の朝。久しぶりに娘のために絵本を読んであげました。
2人だけの特別な時間。就学前、まだ時計に縛られずに過ごしていた頃の静かな空間が、再び戻ってきたかのようでした。
でも、物語は、なんとスリリングなこと!
娘も目を閉じてなんて聞いていられません。
最初は、400メートルという高さをなかなか想像できなかった娘も、ダイナミックな見開きの構図に、釘付けになりました。まるでツインタワーの間を吹き抜ける風に飛ばされそうになるような感覚です。
登山家が、山を見れば登りたくなるように、2つの聳え立つ塔を見ると、綱渡りをしたくなるのもまた本能からくる心の動きなのでしょうね。
私には到底考えられませんが!
長い年月をアメリカで過ごし、あの日の朝も現地で迎えた私にとって、「ふたつのタワーは、いまはもうありません」という一文は、いろいろな意味で胸に迫ってくるものがありました。