『Cloth from the Clouds』が原題。
韻を踏んでいるのでしょうか、この題名も素敵です。
雲をつむぐ少年のお話、と副題があります。
教育者だった作者が、子どもたちに、友情、わかちあい、自然環境の大切さを
考えてもらうための寓話がベースになっているとのこと。
雲から糸をつむいで布を織る少年が主人公。
少年は母に教わったとおり、雲をもらうのはいるだけ、を守っているのです。
ところが、欲深い王様がその布に目をつけたから大変。
たくさん織るように命じたために、雲が無くなって、の騒動です。
王様の娘だけが、その真意を理解していたようですね。
少しデフォルメされた絵が寓話らしい世界観を演出しています。
風景であるはずの丘の描写は、よく見ると絶妙な表情を持っています。
わざと作ってあるひび割れの持つ効果も面白いです。
雲は空の贈り物。
そのフレーズが、ストン、と伝わってきました。