あるところに、雲から糸をつむいで布をおる少年がいました。
丘のてっぺんにある家の屋根の上で、雲が通るたび少年は糸車でことことことこと糸をつむぎます。
そして、機織り機でとんからとんとん布を織るのです。
すべては、お母さんから教わった通りに。
ある時村に、王様がやって来ます。
王様は少年がマフラーを巻いているのを見つけ、「わしにも、もっとずっと長いマフラーをこしらえるのだ!」と命令して…?
少年がお母さんから教わった、『くもは空のおくりもの すこしもらって いるだけつむぎ いるだけおります とんからとん』という布を織る時の歌が心に残りました。
これは、すべてのことに当てはまるのではないかと思います。
次から次へと新しいマントや服を作るよう命令するごうつくばりな王様のようにではなく、必要な分だけ自然から分けてもらう。
まさに『足るを知る』ということではないでしょうか。
このお話を通して、子供達が大切なことに気づいてくれるといいなと思いました。