4歳のときに読んだ時には、それほど反応がなかったのですが、5歳半になり、久しぶりに読んでみると、目を輝かせて前のめりで聞いていました。
たまたまだったのかもしれないし、想像力がついたということなのかもしれません。
引っ越しをしてきたセンジは、自分の部屋をはじめてみたとき、「なんだか暗くて、汚くていやだなあ」と外に遊びにいきます。
外に出ても誰も遊んでおらず、つまらないので、しかたなく家に帰ってかたづけをします。
そこでぼんやりと壁を眺めていると、つぎつぎに不思議ないきものが飛び出してきます。「もくもくじん」という彼らと、みんなで自転車競走。自転車の前輪を上げる走り方を、彼らに教わり、楽しくすごします。
ところが、おとうさんが壁のペンキぬりをするといいます。もくもくじんは壁の中で暮らしていけるから大丈夫と言いますが。
ペンキ塗りをしているあいだに、センジには新しい友だちができます。
センジは新しい家が好きになり、出かけるときには壁に向かって「いってくるね」と手をふります。
この絵本、色使いが独特できれいです。
壁の木目を見ているうちに、なんだか顔みたいに見えてきて・・・という経験は誰にでもあると思います。
それが怖いのではなく、新しい生活に前向きになるまでの支えになってくれているところが素敵です。
娘は不思議な世界に一緒に入りこんで、楽しむことができたようです。
一度読んで反応がなくても、時間をおくと楽しめるかもしれません。