5歳と8歳の娘と読みました。はずかしがりやで口べたな王さまとあわてん坊の6人のお供たちが、新しいお城にお引っ越しをするおはなしです。緻密で美しく、それでいてどこかユーモアのある挿絵に、すーっと引き込まれてしまいました。
王さまは困っている人がいると手助けしてあげたくなります。しかしお供たちは王さまの命令を勘違いしてばかり。王さまが花に水をやろうと「庭に水を」というと、庭に池を作ってしまったり、泥で汚れたロバを「きれいにしてやりなさい」というと、ペンキできれいな色ぬってしまったりするのです。
ある日、またまたお供たちの勘違いから、お城に入りきらないくらい大きすぎるベッドをつくってしまい、新しいお城に引っ越すことになりました。その引っ越しの様子が楽しいのです。パレードのようにならんだたくさん荷物の、1つ1つの柄の美しさまで気になりだして、長い時間そのページに釘付けになってしまいました。子どもたちは、6人のお供たちを探したり、「金魚がいる、どーこだ」などと、探し絵のようにして楽しんでいました。
特に目を奪われたのが、きこりの家の雨漏りのためにおかれた王さまの食器たちがならぶページ。様々な大きさや形や柄の食器たちがそれはそれは美しく、これは何に使う食器かな?などと想像するのも楽しかったです。
たくさんの荷物を川に置き去りにしてしまうのが、少し気になったのですが、最後のページでまたフフフと笑えました。読み終えてからも、好きなページに戻って何度も見返したくなる素敵な絵本です。