本のタイトル「NO.6」とは、あらゆることが管理しつくされた理想都市のこと。ストーリーは、「ネズミ」と名乗る少年と紫苑の出会いから始まります。
ネズミを介抱してやったことが治安局に露見し、紫苑と家族はNO.6のエリート居住区『クロノス』から準市民の居住地『ロストタウン』へと追いやられるはめに。
4年後、公園管理事務所で働いていた紫苑は、公園内で変死体を見つけます。変死事件の犯人として治安局に連行されそうになった紫苑ですが、かつてのネズミに助け出され・・・
第1巻では、紫苑とネズミの出会い、そして謎の変死体がポイントとなるかと思います。紫苑が逃げてきた西ブロックでの生活や人々の出会いを通じ、紫苑は理想都市NO.6の裏側に隠された恐ろしい真実を知っていくことに・・・。
理想都市「NO.6」というあらゆるものがシステム制御され、ロボットと人間が共存している世界は、あらゆる不快が取り除かれており、一見とても恵まれた環境のようでありながら逆に不自然な異様な空間でもあり、近未来を予言しているような不思議な世界感で描かれています。
挿絵には写真が使われていて、本の中の世界とリアルな世界が繋がっている感がUPしています。小説などの一文の引用が度々出てくるのですが、文字のフォントが使い分けられているので一目瞭然です。癖のあるフォントなので、正直、読みにくさはかなりありますが。
それにしてもネズミと名乗る少年、本心を表に出さない性分らしく、謎の包まれた存在でとても怪しいのですが、それがまた良かったりもします。とても続きが気になる終わり方。読み始めると止まらなくなる作品です。