表紙絵よりもサブタイトル“インディアンにまつわるおはなし”に興味を覚え開きました。
昔太陽の神が迸る命の力を一本の矢にかえ、大地に向かって飛ばした。
命の矢は一人の娘に当たった。
そして、男の子を産んだ。
長じて、男の子は父親探しに出かけ…。
広い世の中を旅し父を求め、ある意味自分の存在証明に必死です。
父なる太陽の神へと会いにいくプロセスが、とても神秘的です。
やっと会えた父もまた慎重で、息子へ試練のテストを与えます。
ここで、神とはこういうものか?とちょっと驚きました。
やっと認められ、再び父の手で大地へ送られた男の子はさぞや誇らしく、常人では果たし得ない使命を背負った命であることの自覚に目覚めた事でしょう。
読み進めていくうちに、このモザイク様式のようなイラスト画の魅力に引き込まれました。
絵の不思議な力により、神秘性が際だつ作品だと思います。
コールデコット賞を受け、全米で話題になった結果、歴史考証学的見地から批判を浴びたようです。
が、子どもに読み与えるに際に、歴史事実を伝えるのではなく、あくまでも作られたお話的ニュアンスで絵を含め楽しむのであれば、私は問題が無いように思います。