「バクってなあに?」
「怖い夢を食べてくれる動物だよ」
「えーっ、どんなふうに??」
子供からそう聞かれて返答に困ってしまったこと、ありませんか?――私はあります(笑)
バクが怖い夢を食べてくれると言われているのは一般的なお話。でもよくよく考えてみると、どうやって食べるんだろう?
大人でも答えられる人は限られているのではないでしょうか。
そんな疑問を解決してくれるのが、この絵本『だれもしらないバクさんのよる』なのです。
みんなが寝静まった頃に起きて、出かける準備を始めるバクさん。
バクさんのことを知る人は誰もいないけど、彼には大切なお仕事がありました。
怖い夢を食べるお仕事です。
今夜も壁にかかった『こわいゆめほうちき』のベルが鳴って、怖い夢を見ている動物を教えてくれます。
さあ、バクさんのお仕事の始まりです。
どちらかというとダークな色合いなのですが、書かれている内容やキャラクターが愛らしいのでほんわかさせてくれます。
特に怖い夢を一番に見た時のバクさんの涙目は必見です☆
こんなに頑張ってお仕事をしているのに、バクさんの存在がみんなに知られていないのは、ちょっと残念な気もしました。
娘はブロッコリーの粒々のひとつひとつまで細かく書き込まれているのを見て、驚いたようです。
絵の細かさからも、作者さんの作品にかける思いが伝わってくるお話でした。
「バクってなあに?」とお子さんに聞かれた時には、ぜひ読んであげてください。