鬼は最初から鬼だったのではない。
母から捨てられ、悪に染まりながら鬼になってしまったゆきまろの心の奥底にあった良心。
哀しい話の中に湛えられた性善説は、母の形見のヒスイの玉に象徴されていました。
立ち直ったゆきひらと再会した母は身を明かさずに、無事に育ったことに感謝しながら、息子が同行している旅芸人を見送りました。
息子がどのようにして育ったてきたかを知らず、黙って見送る心情に哀愁を感じました。
よく考えると、悪人たちも時代に振り回されて悪人になったのであって、決して昔から悪人だったのではない。
とてもやさしい思いのお話だと思います。