魑魅魍魎の集まる羅生門に捨てられた小さなゆきまろ。
盗人の一味に拾われて、生きるために盗みを覚えていきます。
けれどある時、盗人の親方が殺されて・・・
妖怪が多く住まう時代、妖怪の集まる羅生門にいて、心が荒んでいくゆきまろの様子が、子の成長を見るうえで、辛く悲しいものに思えてなりませんでした。
けれど最終的には自ら更生し、汗水流して働くことを選ぶ。
そしてその姿を尼になった母が人知れず見つめていて・・・
読んでいてそれほど恐ろしさはなく、どちらかというと生きることの苦しみ、哀しみが強く感じられる内容でした。