「さんまいのおふだ」といえば、怖い昔話の代表格。この絵本もハラハラドキドキの連続で、最後はめでたしめでたしで終わります。
最初は優しそうなおばあさんだったのに、次のページをめくると恐ろしい山姥に!あまりの迫力に大人でも驚きます。
そして、便所で小僧の代わりに返事をするおふだ、これもこのお話のなくてはならない場面です。
ものすごい形相で追いかけてくる山姥、なんとか逃げようと必死で川や砂山を出す小僧・・・このかけひきが何とも面白い。
あわやつかまりそうになる場面の、ニュ〜ッと伸びた山姥の腕がまた恐ろしい。
最後は、和尚さんの機転の利いたやりとりで、なんと山姥を一飲み!この最後もこのお話の面白いところ。
全体的に恐ろしいお話ではありますが、可愛らしい小僧さんに、ユーモラスな和尚さん、大島さんの優しい挿絵がいい感じで、泣くほど怖い絵本にはなっていません。
おまけの「かぐやひめ」は少し物足りなさを感じましたが、これを入口として長いお話を読むきっかけになればいいかなと思います。