本当は互いに互いを思いあっているのに、ちょっとした誤解から関係が壊れてしまうことがあります。それでも互いに生きているならいいけれど死んでしまったら、もう取り返しがつきません。
どんなに泣き叫んでもどんなに悔やんでも、大事な相手は戻ってこない。謝ることすらできない。苦しくて苦しくてたまらない。
この絵本は、それをふまえて作成されたのかもしれません。そして、それでも生きていてほしいと訴えているのかもしれません。
世の中には悲惨な出来事があふれていて、とてつもない悲しみを経験してしまった子どもが確実にいます。
その子はその時には分からなくても日々を過ごすうちに少しづつ理解し、場合によっては死にたくなるほどの苦しみとしてとらえてしまうこともあるでしょう。そうなってしまったらもう、人生を心から楽しむことができなくなってしまいます。
この子はそんな経験をしていないから、この子にはまだ早いからと、先延ばしにしないほうがいいかもしれません。
とてつもない悲しみを経験する前に、苦しみを苦しみとしてとらえる前に、小さなころから何度も何度も読み聞かせて、何があっても生き続けられる受け止め方を教えてあげたほうがいいかもしれません。