美しい秋の夕焼けを見ると、
「あきのひ」という、のぎくみちこさんの詩の中の
だれかに よばれたきがして
ふりかえると
ゆうひが くるくると
しずむところでした
という一節を思い出します。
工藤さんの作品は、いつもかわいらしくて切なく、中でも「てつがくのライオン」然り、「ともだちは海のにおい」然り、「のはらうた」然り、共感を呼ぶ思いが人間の誰かに委ねられない分、自分の心の大事なところがかき乱されないから安心できます。
1984年にに第1作目が書かれて、今年5作目が出ましたが、工藤さんによって言葉を得た{のはらみんな}のあんなささやきもこんなつぶやきも、花開いたり風に運ばれたり第2世代第3世代と引き継がれて行くんですね。
余談ですが、この「のはらうた」の1〜3までに曲をつけた素敵なCDを2枚持っています。1枚目は、中川ひろたかさん作曲で、下中商会が歌うもの、2枚目は、中川さんはじめ、そうそうたる面々により曲がつけられ、トラや帽子店、新沢としひこさん、モーモーズによって歌われています。2枚とも工藤さん自身の語りも入っています。別のCDには、「のはらうたたいそう」というのもあります。静かに詩集ををめくるのも上等なひとときですが、趣向を変えて歌ったり踊ったりも楽しいです!