この絵本、一か所だけ仕掛けがあります。
しかも、最初の肝心なところ。
どんな仕掛けかは、絵本を開いて、見て下さい。
主人公はフクロウの子ども。
フクロウというのはなかなか見ることはありませんが、最近ちょっとしたブームになっています。
漢字で書くと「梟」の一文字でなんだか厳めしい感じがしますが、あの容姿が癒しのイメージで「フクロウカフェ」に人気が集まっているそうです。
本来は猛禽類なんですが、その姿から「森の物知り博士」や「森の哲学者」なんて呼ばれることもあります。
だから、この絵本のフクロウの子どもが巣から落ちて「まいご」になってしまうのですが、どこかかわいいのです。
そのちびフクロウを助けるのが、森のリス。
リスも人気の高い動物です。
ちびフクロウがママのことを「すごーくおおきいんだ」というのでリスが連れていったのは大きなクマのところ。
次にちびフクロウは「耳がとんがっている」というのでリスはウサギのところに連れていきます。もちろん、ちびフクロウのママはウサギではありません。
さあ、ちびフクロウはママのところに帰れるでしょうか。
この絵本を書いたのはクリス・ホートンさん。イタストとかを描いていますから、この絵本のちびフクロウをはじめ登場する動物たちはみんな個性的でかわいいことといったら。
こういうフクロウを見ていると、「フクロウカフェ」が流行るのがわかります。
訳したのは、木坂涼さん。絵本作家でもありますが、詩人でもあります。
詩人といえば谷川俊太郎さんがたくさんの絵本を書いているし、海外の絵本もたくさん翻訳されているのは有名。
さすがに言葉をあやつる人だけあって、絵本にはよく合います。
さて、最初の仕掛けのことですが、この絵本のタイトルのように「ちょっだけ」です。
この絵本を開いて、「なーんだ」というのは嫌ですよ。
何しろ「ちょっとだけ しかけ」の、「ちょっとだけ まいご」という絵本なんですから。