【内容】子どものいない老夫婦が、雪だるまを作ったら、本当の子どもになった。喜んだ二人は、その子を大事に育てる。夏になって、近所の女の子たちが遊びに行こうと誘いに来たが…
あまりにも儚く、切ない、老夫婦の物語。
【感想】生き生きと動き回る人物の絵が素晴らしい。必要最低限の線と素朴な色だけで、ロシアの田舎の質素な老夫婦の生活や人柄、季節の移り変わりが伝わってくる。現在もそうだが、子どもが欲しい人に限って、なかなか授からない。授かっても、思うような幸せが手に入らない…二人はその子に良かれと思ってやったことが、裏目に出てしまったラストシーンは、あまりに切なすぎて深く心に刻まれる。
ゆきむすめも、友達も、その子が雪でできていることを理解していたのだろうか?また次の冬になったら戻ってくるのか?意外と負けず嫌いな性格はどうにかならないのか?老夫婦はけっこうお金持ちじゃないか…などなど、ツッコミどころが満載だが、上品な話なのであまり興味本位のツッコミは控えようと思った。(…で、どうなのさ?)