おおみそかの昔話といえば「かさじぞう」、今も昔も語り継がれる名作です。
家が貧しいと心も貧しくなりがちですが、このお話に出てくるおじいさんは本当に優しく、自分よりおじぞうさまのことを大切に思う心の持ち主、まさに心の長者です。
特に、傘が一つ足りないからと自分のてぬぐいまで差し出すところが、このお話の良いところ。
そして、売り物の傘をおじぞうさまにあげてきたと聞いて、「それはよかった」と喜ぶおばあさんもまた、すばらしいではないですか!
そんな二人だったからこそ、おじぞうさまからの贈り物が届けられ、正月が迎えられたという、なんとも心のあたたまるお話です。
挿絵も、版画風の癒される色彩で、おじぞうさまの表情も場面ごとに変わっているのも微笑ましいです。
最後に、十二支のお話が付いているのも、年末〜お正月に読むのにピッタリの絵本だと思います。