第二次世界大戦下のポーランド。10歳のユダヤ人少年フェリックスは、ナチスの迫害から逃れさせるため、親が修道院へ。しかし何も知らない彼は脱出して両親を探すたびへ出てしまいます。やがてゼルダら同じような境遇の子どもたちと出会い、ゲットーの地下室で暮らしますが、見つかって貨車に載せられ・・・
少年が独白する文体で書かれている物語は、戦時下とは思えないほど楽天的な言葉で、ある程度予測のつく年齢層が読むと、胸がえぐられるような思いをします。
ホロコーストと呼ばれた大量虐殺を描いた本はたくさんありますが、これほど目が離せない物語に出会ったことがなかったので、一気に読んでしまいました
作者のモーリスはオーストラリアの作家ですが、祖父がポーランドから移住してきたユダヤ人で、この問題に深い関心を寄せ、当時を描いた多くの資料を読んで、この物語を書いたと、文末に役者が述べています
続編が三作あるらしいので、翻訳されて一日も早く読んでみたいと思います
中学生以上にはぜひ読んでいただきたいと思います