表紙のU.Gサトーさんの富士山の絵に魅かれて、手に取りました。
俵万智さんの何気ない短歌に、心が和みます。
私がこの本に出会ったのは、3月。3月って何だか忙しくて、ちょっと疲れ気味。そんな時、この絵本に元気をもらえました。ページをめくっていくうちに、風や空、虫、雨、花などとも仲良くなれそうな気がしてきます。
4月の雨の日。憂うな気分。そんな時、「穀雨」の項を読んでみます。こんな雨の日にも、どこかで、小さな物語が生まれているかもしれない、そんなふうに考えると、心がほっこりしてきます。サトーさんの絵も水色のバック。雨にも色がついています。
立春から大寒までの二十四節季がわかりやすく、伝わってきます。この頃、春から冬に逆戻りしたり、気候が少し変だけど、日本は四季のある国。大切にしたいです。
万智さんの言葉から、目には見えない心や気持ちが伝わってきます。
サトーさんの絵は楽しいです。さすがグラフィックデザイナーだけあって、ユーモアや遊び心があり、目で見ているのが、すべてではないんだな、と思えてきます。
裏表紙がまた楽しいんです。夕焼け空に富士山ピアノが音楽を奏ででいます。そして、麓には、彩鮮やかな花々が咲き誇っています。この絵本を読み終わった後は、今度は私たちも生き生きとした心で、周りを見つめて、命の輝きを感じながら、暮らしを彩っていきたくなります。サトーさんの絵本『しまうまのさんぽ』『2本足と4本足』『あか あお ふたりで』『にたものどうし』などを見るのも楽しみです。