林静一といえば『赤色エレジー』と答えてしまう私はちょっと古代人化しているのでしょうか。
ちょっと退廃的で、どこか現実を客観的に描いていて印象的でした。
林静一といえば、女性を描かせたら竹久夢二に匹敵すると思う私は、ちょっとおじさんでしょうか。
絵に心理描写があるように思ったのです。
でも、この『マッチうりのしょうじょ』は私の知っている林静一さんの絵とは異質でした。
今まで読んだ『マッチ…』に比べ、少女の自我が出ているように思うのですが、可哀想な物語にはちょっとマッチしていないように思います。
マッチ売りの少女と連れ添っているワンちゃんが、この物語をアニメ調にしてしまいました。
林静一さんはヤングアダルト層以上にマッチする画家ではないかと思いました。