エドワルドは本当に世界で一番「おぞましい」男の子?
お父さんやお母さん、先生にも是非手にとってほしい絵本。
絵本の前半、エドワルドは悪意なくやった行動で「らんぼう」「やかましい」「いじわる」「やばんな」「だらしない」「きたない」と、次々にレッテルを貼られていきます。
しかもそれぞれのことばに、ご丁寧にも「せかいじゅうの だれよりも」をつけられて。
そんなふうにけなされたエドワルドが、行いを正したか、というとそうではなくて、ますます「らんぼう」「やかましい」…になっていくのです。
でも、そこはさすがに、子どもの味方!ジョン・バーニンガム。
絵本の後半では悪意を持ってやった行動が偶然にも人の役に立って、エドワルドはほめられます。例えば、小さな子をつきとばしたけど、天井からライトが落ちてきて、偶然にもその子を救ったというように。
そう、この絵本、結果的には「ハッピーエンド」です。読み終わった後、次男(4歳)は、よかった、と満足そう。
でも、大人は…。私は考えさせられました。こんな風に「教育」「あなたのため」という名のもとに子どもに不用意なことばを言っていないか、と。
長男(9歳)の感想は、「ありえない」でした。
どういうこと?と聞くと、「だってこんなふう(天井からライトが落ちてきて、偶然にも救ったのシーン)になることって、ふつうないもん。」
誤解され、レッテルを貼られると、普通それが覆ることはない、と言いたいかのようでした。
シンプルで繰り返しがあるので、もっと小さい子でも読めます。でも小学生・中学生はまた別の感じ方をすると思います。
バーニンガムからのメッセージを心に留めたい、そんな絵本です。