小さい頃の世界の見え方、孤独、さみしさ、喜び、不安、わくわくする気持ち。
すっかり忘れていたような感情や場面を思い出させてくれる、すごく繊細な絵本です。
このような心象風景は誰にでもあるのではないでしょうか。
サリという名前の女の子が、クリスマスの前日に、一人でスキーをしながらちょっとこわいけれどどんどん森に入っていきます。
「きこえてくるのは、
雪の上をすべるスキーの音と
自分の息づかいだけだった。」
「そのあたりでスキーをしている人は、ほかにいなかった。
クリスマスの前の日にスキーをするひまのある人なんていない。
とくに、おとなは。
森にいる人間はわたしだけと思うと、
サリはいい気持ちになった。」
一人でずんずん森の奥まで行って、サリはある宝物に出会います。
そして帰り道に素晴らしい体験をします。
絵が優しくて、ほんわかしているのに強くって、感動を誘います。
描かれているフィンランドの自然も素敵で訪れてみたくなります。
娘に買ってあげたはずのママがはまってしまう絵本です!