4歳の娘が寝たあと、6歳の息子と二人で読んだ。
表紙から、すでに、じーーーんとしてしまった。
くらのすけの海デビューは、息子にとっては、幼稚園デビュー。
息子は、他の子たちがとうに泣くのを止めたころも、私と別れるのが嫌で、ずっと毎朝泣いていた。
そんな息子を歯がゆく、また、とても愛しく思った。
おっかさんとくらのすけが、その頃の私たちとダブった。
初めて新しい世界へ出てゆくということは、親にとっても子にとっても、嬉しくもあり、また、切なくもある。
息子に、私の知らない時間ができるということが、とても淋しくもあり、また、頼もしくもあった。
子育てとは、いつもこうした矛盾した感情に振り回され、心が休まるときがない。
そんなときに、こういう絵本で、しんみり、また、ホッとできることは本当に幸せで、また、親になってよかったとシミジミ思う瞬間である。
そんな息子も小学生になり、随分と逞しくなった。
夏休みのいまは、私の堪忍袋の緒が、ブッチンブッチンとキレる毎日(笑)
そういったときは、是非、この‘母恋いくらげ’を読んで、あのころの息子を思い出そう。
きっと、息子の中でも、ずっと記憶に残る一冊になると思う。
絵本ほど、子どもの喜怒哀楽の感情を沸き起こさせるものは他にないと、改めて思った。