私が子どもの頃に読んだ「かちかちやま」は、もうちょっと甘いお話だったような気がします。お話の冒頭で、おばあさんがたぬきに杵で殴られて殺されてしまい、さらに狸汁にされてしまい、それをおじいさんが知らずに食べてしまうという恐ろしいストーリーです。その敵を討つために出てきたのがウサギなのですが、そのウサギの仕打ちも本当に残酷なのです。だけど、たぬきの残酷さに対する懲らしめとしてはバランスがとても取れているんですよね。
昔話は、こういった残酷さを秘めているものが多いものですが、幼児向けだからという理由で変に結末を変えてしまったり、筋書き自体をを変えてしまったりする絵本もあります。でも、昔話とはこういうもの、本物の昔話を幼児に最初から見せてしまってもOKだと私は思います。というか、そのほうが大人が勝手に変えてしまった話を見せるよりはずっと良いのではないかと思うのです。
幼稚園児の息子は、ちょっと怖そうにしてましたが、最後のページをみて「おばあさんを殺したんだから仕方ない」と言ってました。