原発事故と野生の鳥たちについて、静かに語るストーリーです。
山の中に住むおじいさんは、春先に家の周りの木々に巣箱を設置し、
ヤマガラという鳥たちがやってきて巣にし、子育てをする姿を眺めるのが
楽しみなのです。
ところが、3月11日、大きな地震で津波が起き、おじいさんの住む所から
少し離れた場所で原子力発電所が壊れ、放射能が漏れたのです。
直接は見えないものの、その影響を心配するおじいさん。
そんなことは知らずにいつものように子育てをするヤマガラたち。
でも、確実に、やってくるヤマガラたちは減っていったのです。
淡々としたストーリーですが、放射能汚染の現実をそっと教えてくれるように思います。
そして、自分たちにできることをしていくことの大切さも、伝わってきました。
鳥の巣研究家ならではの、的確な視点だけに、リアリティがありました。
小学校のおはなし会で読みます。
子どもたちといっしょに考えていきたいです。