私のお気に入り、岡田淳さんの作品です。
お金のことばかり考え、失敗したらすぐにへこたれる天才教授と、助手の織りなす物語。
今まではお金になる装置ばかり考え、自己中心的に行動してきた教授。
ある日、新聞を読んで憤ります。
戦争、いじめ、環境汚染。
なんとも悲惨なこの世を嘆き、世界平和を自らの手で作り出す。
助手にダメだしされても、へこたれません。
自分の全財産をつぎ込み、足りない部分は借金までし、この世を平和へと導こう。
銃も戦車も環境破壊を引き起こす工場もいじめの舞台になる学校も、全てを植物に変えてしまおう。
しかし、植物に変えられて困るものもあります。
病院がなければ、肉や魚や調理道具、そうそう、一番肝心なのは人間!
これを植物にしてしまっては、本末転倒。
スイッチオンの瞬間をドキドキしながら待ちました。
最後のオチが秀逸です。
息子は大笑いです。
最後の一文、心に残りました。
ユーモアたっぷり、でも風刺も効いた奥の深い作品です。
対象年齢は高学年からですが、イラストたっぷり、文章も簡潔で、もっと下の子にも楽しめそうです。