中学進学ができることになったステフィは、医師の家に下宿することになります。
ウィーンでは医師の娘だったのに、ここでは下宿人として時には使用人のように扱われることもあり、プライドの高いステフィは屈辱を受けます。
13歳の子が親元を離れてしかもユダヤ人であるので両親の安否を気遣いながら、よその家庭で暮らすということ、そして暮らす場所で一からスウェーデン語を勉強したということ、並々ならない苦労と忍従をステフィが背負っていることを思い、親の気持ちで読んでしまう場面がありました。
何かあってもすべてを話すわけにいかない少女がどのように時々の自分の気持ちを処理していったかということです。
そんな中でも新生活の中で芽生えた友情と初恋、島の養父母だけでなくステフィに信頼を寄せるマイやビョルク先生たち。
ステフィのことを思いやってくれる人々が少しずつ増えてきたことに安心しながらも、ウィーンで暮らすステフィの両親の状況はますます厳しいものになっていくことに心を痛めて読んでいました。
さて、次は三巻目。読み進むほどにステフィのことがどんどん好きになっていくのを感じます。