美しくわがままなお姫様が泉に大切なまりを落としてしまい、
それを取ってきてもらうために、カエルと適当な約束をしてしまう。
いざ、まりが戻ってきたら約束は無視。
実はカエルは呪いにかけられていた王子さま。
呪いがとけて二人は結婚。
昔、読んだ記憶があるのだけれど、この作品の物語ではカエルから
王子様に戻るところと、二人の結婚に至るまでが、あまりに
あっさりしずぎてて、物足りないのですが、忠実なグリム童話では
もう少し奥がふかいのでしょうか。
ただ、王様のどんな相手でも約束したからには守らなくてはいけないと
お姫様をさとすところは、人格の素晴らしさがにじみ出ていて救われるところです。(なのに娘はしょうもない)
それとカエルに変えられた王子様を想う忠臣ハインリヒの切なくなる
ほどの忠誠心には心打たれます。
この本を選んだのは、ビネッテ・シュレーダーの挿絵によるものだから。
不思議な魅力がありますよね。
好みである、とは決して言えないのですが、幻想的でシュールな趣が
たまりません。
何度もながめ返してしまいます。やはり好きなのでしょうか…