物語の舞台は深海です。そこで暮らす人魚たちと一緒に泳ぐ・・・というよりは、岩の陰から見ているというイメージでしょうか。
泳いで、遊んで、獲物をとって、食べる。子どもの頃から“人魚姫”の物語が大好きだった私には、このシーンには衝撃的でした。
ですが、心に残るのです。海の青が、人魚の瞳が、歌が、どうしても頭から離れません。
決して子ども向けとは言えない作品ですが、なぜか心に残るのです。
人魚は本当にいるのかもしれません。作者の方は、実は深海の秘密を見てきたのかもしれません。
青い青い海の、底の、もっと底から、人魚たちの歌が聞こえてくるような気がします。